IVEのレイが「ギャル」と称される最大の契機となったのは、2022年4月にリリースされたセカンドシングル『LOVE DIVE』のプロモーション期間でした。音楽番組のカメラに向かって披露した「手のひらを上に向けて下向きに突き出すピースサイン」、いわゆるギャルピースがSNSを通じて瞬く間に拡散されたのです。
日本で1990年代後半から2000年代初頭の平成ギャルカルチャーとして親しまれていたこのポーズを、現役のK-POPアイドルであるレイが現代的な洗練をまとって披露したインパクトは絶大でした。当時、韓国の公式ファンコミュニティや音楽番組の現場関係者の証言によると、「カメラが抜くわずか数秒の間で放たれる圧倒的なキレと遊び心に、スタッフ全員が息を呑んだ」と振り返られています。
ここで改めて、IVEレイこと直井怜の経歴を整理しておきましょう。徳島県に生まれ、幼少期を名古屋で過ごした彼女は、2018年に日本で開催されたオーディションを通過して単身渡韓しました。名門・ソウル公演芸術高校を卒業し、韓国語の卓越した語学力から「キム・レイ」という愛称がつくほど現地に溶け込みながらも、彼女は自身のルーツである日本のカルチャーを決して手放しませんでした。
韓国では愛らしい見た目からアニメキャラクターにちなんで「コンスニ」と呼ばれ親しまれていた彼女ですが、自らのキャラクターを「かわいい妹分」だけに押し込めることはありませんでした。メディアの単独インタビューや公式コンテンツの場において、彼女は堂々と「私の中にはギャル精神がある」「ポジティブでいることが私の強み」と発信し続けたのです。この「可愛いビジュアル×ブレないギャル精神」という鮮烈なギャップこそが、彼女が「アイブのギャル」として認知され、独自のポジションを確立した決定的な理由です。