大人にふさわしい本革バッグを選ぶ際、最も重要なのは「革の種類と鞣(なめ)し製法」を見極める目だ。表面の傷を隠す加工が施されたクローム鞣しの革は発色が美しく傷に強い反面、味わい深さは控えめになる。対して、植物タンニンで時間をかけて鞣されたヌメ革やフルグレインレザーは、使い込むほどに深い色艶が生まれる。サステナビリティが叫ばれる昨今、持続可能な資源循環を目指す世界的な皮革産業の取り組みも進化しており、環境に配慮されたプレミアムレザーの注目度が増している。
急激な変化を遂げるファッション・アパレル業界において、安易な使い捨てではなく「良いものを長く愛用する」というマインドセットが主流となりつつある。大人の革選びで失敗しないための極意は、革の表面にある自然なシボ(皺)や血筋を「個性」として愛せるかどうかだ。表面の均一さだけにとらわれず、天然素材ならではの温かみと質感を感じ取ること。それこそが、何年経っても飽きのこないバッグと巡り合うための最短ルートである。