作中において渋川剛気は、1926年(大正15年/昭和元年)生まれの70代後半から80代の高齢として描かれている。公表されている体格データは身長155cm・体重47kg。地下闘技場戦士の中でも群を抜いて小柄であり、現代の成人男性の平均体格と比べても極めて華奢な数値だ。しかし、この体躯こそが「小よく大を制す」合気の説得力を極限まで高めている。
キャラクターの造形において決定的な影響を与えたのが、実在した伝説の合気道家・塩田剛三(合気道養神館開祖)である。原作者の板垣恵介は、塩田剛三の立ち振る舞いや武勇伝に強い感銘を受け、渋川剛気という稀代のキャラクターを生み出した。両者の間には、単なる外見の類似にとどまらない驚くべき共通点が存在する。
塩田剛三自身も身長約154cm、体重約45kgと非常に小柄でありながら、警視庁機動隊や女性警察官への指導を担当し、国内外の要人を演武で驚嘆させてきた武道界の生ける伝説であった。渋川剛気が作中で「警視庁逮捕術指導教官」を務めている設定は、まさに塩田の経歴へのリスペクトそのものである。
メディアミックスにおける渋川剛気の声は、テレビアニメ第1作(2001年版)を中博史が、第2作(2018年の最凶死刑囚編以降)を島田敏が担当した。好々爺としての柔らかな語り口と、ひとたび戦闘のスイッチが入った際に見せる冷徹な凄みを演じ分け、キャラクターの立体感を決定づけた。