「わかりました」は上司に失礼?丁寧語の落とし穴と正しい敬語言い換え術

「わかりました」は上司に失礼?丁寧語の落とし穴と正しい敬語言い換え術

「わかりました」は上司に失礼?丁寧語の落とし穴と正しい敬語言い換え術に関する疑問や疑問点を徹底的にまとめました。詳細を読もうことができます。

言葉の成り立ちを分解すると、敬語・丁寧語・尊敬語・謙譲語の違いが明確に見えてきます。敬語体系は大きく「尊敬語(相手を高める)」「謙譲語(自分を下げて相手を相対的に立てる)」「丁寧語(話し手が聞き手に対して丁寧に述べる)」の3つに分類されます。「わかりました」は「わかる」+「ました」で構成される純粋な丁寧語であり、文法的な間違いではありません。同僚や後輩、あるいは親しい間柄での会話であれば、まったく問題のない言葉遣いです。

それにもかかわらず、上司や取引先に対して「わかりました」が不適切とされる理由は、わかりましたに謙譲語のニュアンスが一切含まれていない点にあります。「わかる」という動詞は本来、物事の理屈や事情を自分の頭の中で「理解・納得・判定した」という自己完結的な心理状態を表します。したがって、目上の指示に対して「わかりました」と答える行為は、無意識のうちに「あなたの言った内容を私が評価・判定して納得しました」という上から目線の認知枠組みを相手に突きつける響きを帯びてしまうのです。

ビジネスの現場において、指示や依頼を受ける側には「へりくだって拝命する姿勢」が求められます。自分の頭で理解したことだけを告げる「わかりました」では敬意の絶対量が不足し、相手に「ぶっきらぼう」「反省や受託の重みが感じられない」という印象を与えてしまいます。これが、「文法的には正しいのにマナー違反とされる」最大の力学です。

松本 悠斗
著者

松本 悠斗

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。