搬送中も焦らない!酸素ボンベ残量計算と残り時間早見表【現場即応】

搬送中も焦らない!酸素ボンベ残量計算と残り時間早見表【現場即応】

搬送中も焦らない!酸素ボンベ残量計算と残り時間早見表【現場即応】の特集記事を解説します。役立つ情報が詰まっています。

「ストレッチャーを押して地下のCT室に到着した瞬間、ボンベの圧力針がゼロを指していることに気づいた」――。日本医療機能評価機構などに寄せられるヒヤリハット報告書には、背筋が凍るような現場の生々しい証言が今なお散見されます。搬送中に酸素供給が途絶した場合、患者は数分で急激な低酸素血症に陥り、チアノーゼや意識障害、最悪の場合は心停止を引き起こす極めて危険な状態へと追い込まれます。

もしも搬送中に残量ゼロが発覚、あるいは急激な圧力低下に直面した場合、第一に取るべき初動は「即時の応援要請」と「予備酸素源の確保」です。直近の病棟や処置室、検査室へ迷わず駆け込み、壁配管のアウトレット(中央配管酸素)へ即座にカニューラやマスクを繋ぎ変えなければなりません。手元にバッグバルブマスク(アンブバッグ)がある場合は、直ちに室内気(空気)での換気維持へ切り替えつつ、応援のボンベ到着を待ちます。このとき、慌てて患者の自発呼吸を無視した過換気を起こさないよう、冷静なバイタルサイン監視が不可欠です。

しかし、本質的に重要なのは「切れたあとの対処」ではなく、「切れる可能性を構造的にゼロにする出発前の足切り判断」です。医療安全の現場において合言葉となっているのが、「搬送所要時間×2倍の酸素量」を持たないボンベは絶対に持ち出さないという原則です。移動に15分かかると見込むなら、最低でも30分、不測の事態を想定するなら40分以上の残量マージンが確認できなければ、出発そのものを中止して新品ボンベへ交換する決断を下さねばなりません。

橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。