都内の難関高校対策を手掛けるベテラン国語科講師は、模擬試験の採点現場で見られる受験生の心理傾向について、次のように警鐘を鳴らしています。
「文法で失点する生徒のほぼ100%が、『なんとなく響きがそれっぽいから』という感覚でマークシートを塗っています。特に高校入試国語品詞問題では、出題者が生徒の思い込みを誘うトラップを意図的に配置しています。活用表を頭で回さず、見た目の文字面だけで判断しようとする生徒から順に罠にかかっていくのが現実です」
実際の指導現場や受験生の相談ログを検証すると、つまずきのパターンは主に2つに集約されます。
第1のつまずきは、助詞内部の分類である格助詞と副助詞の混同です。「鬼が島(を・に・が・と・より・から・で・や・の・へ)」の語呂合わせで覚えられる格助詞は、名詞の直後について主語や目的語などの文法上の資格(格)を決定します。ところが、「彼は走る」「本も買う」の「は」「も」のような副助詞が混ざると、途端に判断が狂います。「は」や「も」も形は変わりませんから、助詞であることには変わりありません。
第2のつまずきが、助動詞の活用形が変化した形態を見落とすパターンです。助動詞一覧と活用形を整理できていないと、「走らせられた」の「せ(使役の助動詞『せる』の連用形)」を、単なる動詞の一部や謎の接続語として処理してしまいます。品詞分解の境界線を見極めるためには、単語単位にスラッシュ(/)を入れる訓練が欠かせません。