ネット上の情報には、国産品を神聖視するあまり実態とかけ離れた言説が散見されます。靴選びで後悔しないために、プロの視点から3つの誤解を是正しておきます。
第一の誤解は「日本製ならすべて職人の手縫いである」という幻想です。実際には、数千万円クラスの吊り込み機や出し縫い専用のミシンを駆使する「機械式グッドイヤーウェルト製法」や「セメント製法」が量産品の9割以上を占めます。機械縫いであることは決して悪ではなく、むしろステッチのピッチ均一性や引っ張り強度の安定という点では手縫いを凌駕するメリットがあります。しかし、すべてをハンドソーン(手縫い)と信じ込んで3万円台の製品に過剰な幻想を抱くのは避けるべきです。
第二の盲点は「雨の日でも国産革靴なら安心」という思い込みです。日本は湿潤な気候ですが、一般的な天然皮革モデルは欧州靴と同様に水濡れに弱く、雨染みや塩吹きのリスクを抱えています。雨天での使用を前提とするならば、ゴアテックス(GORE-TEX)ファブリクスをライニングに内蔵したモデルや、フッ素樹脂を革の繊維自体に定着させた専用の撥水レザー靴を選択しなければなりません。
第三に、近年注目を集めるオーダーメイド靴 日本 おすすめの選択肢についても注意が必要です。フルオーダー(ビスポーク)は採寸から仮縫いを経て完成まで半年から1年以上、費用も25万円〜50万円以上かかります。初心者がいきなりフルオーダーに手を出すと、自身の好みの「捨て寸(つま先のゆとり)」や「アーチの強さ」を言語化できず、仕上がりに違和感を覚えるケースが少なくありません。まずは木型調整が可能なパターンオーダー(5万〜10万円前後)から始めるのが堅実なステップです。