価格はなぜ動く?需要曲線と供給曲線の基本とシフトの真相を徹底解剖に関する質問を詳しくまとめました。専門的な情報をご確認ください。
価格を1%動かしたとき、需要や供給の数量が何%変化するかを示す感応度の尺度を「価格弾力性」と呼びます。とりわけ実務や試験で頻出する価格弾力性の計算方法は、以下の定義式によって導かれます。
需要の価格弾力性(|e|)= -(需要量の変化率 %)÷(価格の変化率 %)
※価格と需要量は逆方向に動くため、通常はマイナス符号を打ち消して絶対値で評価します。
弾力性の数値が1を超えるか下回るかによって、企業の売上高に与える影響は真逆の結果をもたらします。市場における主要な製品群と弾力性の関係性を下表に構造化しました。
弾力性の区分詳細・数値データ(係数基準)一般的な商品例・市場相場価格戦略における評価・影響弾力的(Elastic)弾力性の値 |e| > 1.0
(価格1%の変化に対し数量が1%超変動)外食、海外旅行、高級ブランド品、代替品が豊富な日用品値下げによって販売数量が大幅に跳ね上がるため、全体の売上高は増加傾向を示す。単位的弾力的弾力性の値 |e| = 1.0
(価格変化率と数量変化率が完全に同等)市場競争が極めて中立的に保たれた標準的工業製品価格を上げても下げても全体の売上高は一定のまま変わらない均衡状態。非弾力的(Inelastic)弾力性の値 0 < |e| < 1.0
(価格が動いても数量は鈍くしか動かない)コメ、塩、水道・電力、ガソリン、持病の処方薬値下げしても買い増しが起きず減収になる一方、値上げを行っても離脱が少ないため増収となる。完全非弾力的弾力性の値 |e| = 0
(グラフ上は垂直な直線となる極限状態)代替が一切利かない命に関わるインスリン製剤や希少特効薬価格がいくら高騰しても必要数量が買われ続けるため、独占禁止法や公的規制の対象になりやすい。
先述したEC事業者の失敗は、自社が取り扱う独自性の強い衣料品が、ファン層にとっては「非弾力的(e < 1)」であったにもかかわらず、競合の量販店に惑わされて安易な値下げに走ってしまった点に尽きます。自社製品がどちらの領域に属しているかを見極めずに価格レバーを引く行為は、計器を見ずに飛行機を操縦するような暴挙と言わざるを得ません。