スマホホルダーの設置位置が引き起こす法的リスクは、車検時の不合格通知だけにとどまりません。公道を走行する瞬間から、警察官による交通取り締まりの対象となる現実が存在します。
警察庁が厳格な取り締まりを敷く最大の根拠が、道路交通法第55条第2項(乗車積載方法違反)です。同条文では「車両の運転者は、運転者の視野若しくはハンドルその他の装置の操作を妨げ(中略)るような乗車をさせ、又は積載をして車両を運転してはならない」と明記されています。フロントガラスへの貼付や、ダッシュボード前方視界を大きく塞ぐスマホの設置は、運転者の視野を人為的に阻害している状態そのものであり、現認されれば反則告知の対象となります。
さらに見逃せないのが、道路交通法第71条第5号の5に定められた「携帯電話使用等(ながら運転)」との関連です。「ホルダーに固定していれば手で持っていないから無罪」という解釈は完全な誤認です。判例および警察の取締基準において、注視(概ね2秒以上の凝視)が認められた場合、手持ちでなくとも携帯電話使用等違反に問われます。
時速60キロで走行する自動車は、ドライバーが画面をわずか2秒見つめるだけで約33.3メートルもの距離を盲目状態で走ることになります。この物理的事実があるからこそ、警察機関はホルダーの有無にかかわらず「画面注視行動」そのものを厳正に取り締まっているのです。