グループ企業を検討する際、避けて通れないのが「親会社(AGC本体)と子会社の格差問題」です。AGC単体の平均年間給与は有価証券報告書ベースで約820万〜860万円(平均年齢43歳前後)を安定して維持していますが、子会社に目を向けると、最も高いエンジニアリング子会社でも700万円台半ば、建材流通や製造子会社では500万〜600万円台にとどまります。
この200万〜300万円におよぶ年収格差の根本的な原因は、基本給のテーブル差だけでなく賞与の支給月数と手当の設計思想にあります。親会社の賞与が全社営業利益とダイレクトに連動し年間6ヶ月分前後を支給される年が多いのに対し、子会社の賞与は自社の事業採算に左右され、4.0〜5.0ヶ月分前後に設定されるケースが目立ちます。
一方で、生活防衛の要となるAGC子会社福利厚生は、親会社の手厚い制度を色濃く引き継いでいます。主な共通メリットは以下の通りです。
- カフェテリアプラン・各種手当:親会社と同等またはそれに準じた年間ポイント付与があり、医療費補助や自己啓発に充当可能。
- 独身寮・借上社宅制度:地方工場勤務や転勤者に対して月額1万〜2万円前後の自己負担で住居が提供されるケースが多く、額面年収以上の可処分所得を生み出す要因に。
- 退職金および年金制度:確定拠出年金(DC)や確定給付企業年金(DB)が整備されており、中小独立系企業とは一線を画す老後資金の安全弁を保有。
厚生労働省の雇用動向調査等と比較しても、AGC子会社離職率は製造業平均の10%前後を大きく下回る3〜5%前後で推移しています。給与水準に本体とのギャップはあれど、福利厚生と雇用の安定性が高い防波堤となり、離職を思いとどまらせる要因となっています。