ブリーチなしで濁りのないクリアなモカグレージュを表現する際、現場のスタイリストがどのメーカーの薬剤を選択するかは極めて重要な鍵を握ります。現在のサロン業界において「ブリーチなし 赤み消し 透明感カラー」の二大巨頭として君臨するのが、ウエラ(WELLA)の「イルミナカラー」と、ミルボン(milbon)の「オルディーブ アディクシー」です。
どちらも赤みを削る能力に秀でていますが、そのアプローチと仕上がりの質感には明確な個性の違いが存在します。
まず、イルミナカラー モカグレージュ レシピの核心は「マイクロライトテクノロジー」による金属イオン(銅)の封じ込めと、光を反射するシルキーなツヤ感にあります。モカグレージュを設計する場合、ベースの柔らかなブラウンを作る「ヌード(NUDE)」やウォームベージュの「サファリ(SAFARI)」に、赤みを完全に中和する補色として紫系の「オーキッド(ORCHID)」やシアーアッシュの「オーシャン(OCEAN)」を絶妙な比率(例:ヌード7:オーキッド2:オーシャン1)でブレンドします。これにより、光を浴びた際に髪が透けるような、極めてみずみずしい「シアーモカグレージュ」が完成します。
対するアディクシーカラー モカグレージュは、アジア人特有の赤みを骨抜きにする圧倒的な「高彩度ブルー軸染料」が武器です。ブラウンという色味すら排除し、徹底的に濁りのないクリアな寒色を追求した設計となっています。アディクシーで作るモカグレージュは、柔らかなグレージュベースを形成する「スモーキートパーズ」を主軸に、強烈なオレンジキラーである「サファイア」や「グレーパール」を少量配合するレシピが王道です。赤みを徹底的に排除した、都会的でスモーキーな「クールモカグレージュ」を求める読者には、アディクシーが唯一無二の選択肢となります。