タイヤのカスタムを巡っては、インターネット掲示板や動画サイトを中心に危険な俗説がまことしやかに語り継がれています。その代表格が「外径計算さえ合致していればどんなサイズでも履ける」という誤解です。
まず検証すべきは、偏平率変更の影響です。偏平率を70%から45%や40%へと大幅に引き下げた場合、サイドウォール(タイヤ側面の厚み)が著しく薄くなります。これによりタイヤのクッション性能が激減し、路面からの強い衝撃をサスペンションや車体フレームが直接受け止めることになります。結果として、乗り心地の悪化やロードノイズの増大を招くだけでなく、キャッツアイや路面の段差を通過した際にホイールが歪んだり、タイヤのサイドコードが切れて側面にコブのような膨らみができる「ピンチカット」を誘発します。
次に警戒すべきは、スタッドレスタイヤ導入時などに多用される「インチダウン」です。冬用タイヤのコストを下げるためにホイール径を小さくする際、外径さえ合わせれば無限に小さくできるわけではありません。そこにはインチダウン許容限界が存在します。近年の車両は安全性能の向上に伴い、大径のブレーキディスクやキャリパー、電子制御パーキングブレーキ用のアクチュエーターをホイールハウス内部に抱え込んでいます。外径計算上は装着可能であっても、ホイールの内側とブレーキ部品が物理的に接触し、装着した瞬間にホイールがロックして走行不能に陥る重大事故が実際に起きています。