もち米の調理において、蒸し時間と同じかそれ以上に結果を左右するのが事前の「浸水」です。うるち米は30分〜1時間程度の浸水で炊飯できますが、もち米は組織が非常に緻密なため、短時間では中心部まで水分が届きません。
もち米の浸水時間が必要な理由は、米粒の中心までしっかりと吸水させ、蒸気の熱でデンプンを均一に「糊化(アルファ化)」させるためです。吸水が不十分なまま強火で蒸すと、外側だけが先に加熱されて糊状の膜を作り、蒸気が中心部へ侵入できなくなります。これが、外はベチャついているのに中は硬いというもち米の蒸し方で芯が残る現象の主因です。
浸水の目安は、夏場で約6時間〜8時間、水温が低い冬場なら8時間〜一晩(約10〜12時間)が理想的です。指先でもち米を挟み、軽い力で粉々に押しつぶせる硬さになっていれば吸水完了の合図。蒸す直前にはザルへ上げ、15分〜20分ほど置いてしっかりと水切りを行ってください。余分な水気が残っていると、蒸しムラの原因になります。