『君がくれた夏』歌詞の意味と制作秘話|恋仲主題歌が10年愛される理由

『君がくれた夏』歌詞の意味と制作秘話|恋仲主題歌が10年愛される理由

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家入レオの名を一躍トップアーティストへと押し上げた『君がくれた夏』の誕生は、彼女自身の音楽キャリアにおける重大なパラダイムシフトと軌を一にしています。2012年のデビュー曲『サブリナ』に代表されるように、初期の彼女のトレードマークは、大人社会への反抗や自身の孤立・焦燥感を鋭く切り取るアグレッシブなロックサウンドでした。

しかし、2015年にフジテレビの看板枠である月9ドラマ『恋仲』の主題歌オファーを受けた際、制作陣から求められたのは「不器用ながらも互いを思い合う若者たちの、脆くも美しい夏のきらめき」でした。企画段階の意図を汲み取ったビクターエンタテインメントの制作チームと音楽プロデューサー・西尾芳彦氏は、彼女が持っていた芯の強さに「包容力」と「哀愁」を同居させる新たなアプローチを模索します。

当時の特番インタビューや制作手記によると、家入レオはドラマの準備稿台本を幾度も読み込み、福士蒼汰が演じる主人公・三浦葵と、本田翼が演じるヒロイン・芹沢あかりが抱える“すれ違いのもどかしさ”に自らの感情を深く同調させたといいます。「自分自身のフラストレーションを叫ぶのではなく、誰かの人生にそっと毛布をかけるような歌を歌いたい」という表現者としての覚醒が、20歳という人生の過渡期において奇跡的な結晶となって結実したのです。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。