今注目を集めている 竹内まりや『駅』誕生の真相と中森明菜の解釈|山下達郎の怒りと聖地について、多角的な視点を分かりやすく掲載しています。
詳細を見る中森明菜版と竹内まりや版の『駅』は、同じ旋律と歌詞を持ちながら、聴き手に与える心象風景が根本から異なります。両者の解釈の違いは、アレンジャーの方向性とシンガーの資質による対比として音楽研究の対象にもなっています。
比較項目中森明菜版(1986年)竹内まりや版(1987年)編集部の見解・評価編曲(アレンジ)椎名和夫
(アンビエント調・ミニマル)山下達郎
(重厚なストリングス・王道ポップス)前者は私小説的な静寂、後者は映画的な壮大さを志向している。ボーカルスタイル囁くようなウィスパーボイス
感情を押し殺した退廃的歌唱明瞭で芯のあるアルトボイス
豊かな情景描写と情感の吐露明菜は「絶望の淵に沈む当事者」、まりやは「切なさを抱きつつ歩み出す大人の女性」を描き分けた。テンポ・世界観やや遅め、孤独で冷たい雨の空気感ドライブ感のある適度なテンポと温もり達郎の意図した「切なくも凛としたポップス」がまりや版で完全に結実した。収録作品・実績アルバム『CRIMSON』
(オリコン最高1位)シングル/アルバム『REQUEST』
(3年連続TOP100・ミリオン達成)双方がそれぞれの音楽的文脈で歴史的傑作としての地位を確立している。
中森明菜が表現した世界は、アルバム全体のコンセプトでもあった「女性のプライベートな吐息や夜の独白」を極限まで突き詰めたものでした。あえて声を張らず、マイクに近づいて囁くように歌うアプローチは、失恋の生々しい痛手をリアルに描き出しています。
一方、竹内まりやと山下達郎が創り上げたバージョンは、イントロのドラマティックなストリングスと哀愁漂うギターソロが印象的な、極上の短編映画のような仕上がりです。1987年11月28日に発売されたシングル(両A面シングル『AFTER YEARS / 駅』)はロングヒットを記録し、竹内まりやを代表する国民的ナンバーとなりました。