かつて結婚の約束を公にする場といえば、厳格なしきたりに則った「結納」が一般的だった。しかし現代では、略式の食事会スタイルである両家顔合わせが圧倒的な主流を占めている。株式会社リクルートが発行する情報誌『ゼクシィ』の「ゼクシィ結婚トレンド調査」を見ても、結納を行わず顔合わせ食事会のみで済ませるカップルは全体の8割から9割に達する。ブライダルサービス「ハナユメ」の意識調査でも同様の傾向が顕著だ。
問題は、儀式という「定型」が消滅したことで、個々の家庭が持つ常識の物差しがむき出しになってぶつかり合う点にある。公益社団法人日本ブライダル文化振興協会(BIA)が警鐘を鳴らすように、冠婚葬祭の作法が個人の裁量に委ねられた結果、家ごとのマナー・エチケットの基準の違いが埋めがたい溝として表面化してしまうのだ。