急降下を告げる警告音「Whoop Pull Up」の正体とコクピットの真相

急降下を告げる警告音「Whoop Pull Up」の正体とコクピットの真相

急降下を告げる警告音「Whoop Pull Up」の正体とコクピットの真相の注目ポイントを丁寧に掘り下げてご紹介します。

航空ファンのみならず一般にも広く知られるようになった「Whoop whoop pull up」の意味は、直訳すれば「ウープ音(警笛)+引き起こせ(機首を上げろ)」という極めて直接的な操縦指示です。航空業界において「Pull up」は、操縦桿を手前に全力で引き、推力を最大にして急上昇を行う緊急回避行動を指します。

この警告音を発しているのは、民間旅客機や軍用輸送機に搭載されているGPWS(Ground Proximity Warning System:対地接近警報装置)、およびその進化型であるEGPWS(Enhanced GPWS)です。巡航速度時速800km以上で飛行する現代のジェット旅客機において、視界がゼロの悪天候や夜間、パイロットが自機の高度や降下率を見誤った場合、人間の五感だけで地表への接近を察知することは不可能です。

システムが「このままの飛行経路を維持すれば数秒から数十秒以内に地形や障害物と激突する」と計算した瞬間、コクピット内のスピーカーからけたたましい音響とともに合成音声が強制出力されます。この警報が鳴動した瞬間、コクピットはそれまでの通常業務から一転、一刻の猶予も許されない生存をかけた極限状況へと叩き込まれます。

中島 亮太
著者

中島 亮太

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。