季語を語る上で欠かせないのが、旧暦に基づく時期の分類だ。現代の感覚では「6月〜8月」が夏と思われがちだが、伝統的な歳時記の世界では、立夏(5月初旬頃)から立秋の前日(8月初旬頃)までが夏と定められている。
この約3ヶ月間は、さらに細かく「初夏」「盛夏」「晩夏」、そして夏全般にわたって使える「三夏」の4つに大別される。季節の微細なグラデーションを意識することで、描写の解像度は格段に跳ね上がる。
- 初夏(しょか):立夏から芒種の前日まで(5月上旬〜6月上旬)。若葉の青さや爽やかな風が特徴。
- 盛夏(せいか):小暑から大暑の終わりまで(7月上旬〜8月上旬)。強烈な太陽と猛暑が主役。
- 晩夏(ばんか):立秋直前の時期(8月上旬)。行き過ぎる夏への惜別と秋の気配が混ざり合う。
- 三夏(さんか):夏を通じた時期全体に対応する表現。