世論の怒りの矛先は、政界だけでなく捜査機関にも向けられた。東京地方検察庁特別捜査部(東京地検特捜部)は、金丸氏に対して上申書の提出のみで聴取を終え、政治資金規正法違反による略式起訴(罰金20万円)という異例の軽処分で手打ちにした。この捜査手法には国民から非難の嵐が巻き起こり、検察の威信は失墜した。
しかし、世論の猛反発を受けた東京地検特捜部は再捜査へと舵を切らざるを得なくなる。翌年、脱税容疑で金丸氏の自宅や事務所の家宅捜索に踏み切ると、そこからは刻印のない大量の金塊や無記名割引国債が次々と発見された。この劇的な強制捜査は、のちのゼネコン汚職事件へと波及し、政財界を巻き込む空前絶後の構造疑獄へと発展していくこととなった。