人手不足の波は、厨房や接客の風景にも不可逆な変化をもたらした。完全キャッシュレス化された注文端末、需要を予測して仕込み量を最適化するAIシステム、ロボットによる配膳。徹底的なデジタル化を推進し、人件費を削りながら圧倒的な回転率を誇る大型チェーンが勢力を伸ばしている。
対照的に、カウンター越しに客と向き合う個人店では「人間の手仕事」そのものがプレミアムな価値を帯び始めている。機械化に頼らず、その日の気温や湿度に合わせて出汁の引き方を変える職人の眼光。ハイテクによる利便性と、ローテクによる人間味。二極化の構図はより一層クリアになっている。