ワシントン・ナショナル空港は猛吹雪に包まれていた。滑走路は閉鎖と再開を繰り返し、離陸待ちの航空機列が伸びていく。90便のボーイング737型機は、滑走路に向かう途中で長時間の待機を余儀なくされた。この待機時間こそが、致命的なトラップとなった。
機体表面には容赦なく雪が降り積もる。除氷作業を受けたものの、待機時間が長すぎたため再氷結が進行。離陸滑走が始まると、エンジンの出力表示センサーが氷結によって誤った高数値を表示した。副操縦士は違和感を覚え「何かがおかしい」と声を上げたが、機長は滑走を続行。エンジン推力が不足したまま機体は空中へ浮き上がったものの、即座に失速した。離陸からわずか数分後、機体は14thストリート・ブリッジの車列をなぎ倒し、凍てつくポトマック川へと墜落した。