ワノ国編のクライマックスにおいて、カイドウの一撃によって一度心停止へと追い込まれたルフィ。その極限状態のなかで起きた現象こそが、ルフィのギア5・ニカ覚醒でした。この瞬間、物語の根底を揺るがす事実が五老星の口から明かされました。ルフィが口にした悪魔の実は「ゴムゴムの実」ではなく、世界政府がその名を歴史から消し去ろうとした「ヒトヒトの実 幻獣種 モデル"ニカ"」だったのです。
連載当時、読者の間で「ギア5はアニメ・漫画の何話で見られるのか」という検索が殺到しましたが、原作漫画では第1044話、アニメでは第1071話にてその全貌が描かれました。白銀の髪と羽衣のような蒸気を纏い、心臓の音を「ドンドットット」という解放のドラムとして響かせながら高笑いするルフィの姿は、これまでの少年漫画の覚醒描写とは決定的に一線を画すものでした。
ギア5の能力の本質は、「ゴムの肉体にさらなる腕力と自由を与える」点にあります。自身だけでなく触れた周囲の無機物、さらにはカイドウのような巨大な生体や雷といった自然現象すらゴムに変形させます。カイドウの身体を縄跳びのように跳びはね、地面をめくってボロブレスを跳ね返すその戦いぶりは、まさにカートゥーンアニメのような「空想を具現化する神の力」と呼ぶにふさわしいものでした。
さらに特筆すべきは、覇王色の覇気纏いとの完全な融合です。触れずに相手を吹き飛ばす四皇級の覇王色をニカの超常的な身体能力に乗せることで、鬼ヶ島全域を覆うほどの巨大な拳「ゴムゴムの猿神銃(バジュラングガン)」を放ち、最強生物カイドウを地中深くに沈める決定打となりました。