代々続く家督を継承した場合や、両親・祖父母の位牌が重なった場合、仏壇内部の並べ方には明確な序列が存在します。日本の伝統的な儀礼空間では「右側が上位、左側が下位」とされる「右上位」の概念が基盤です。
位牌の並べ方の順番は、古い先祖(亡くなった時期が早い世代)ほど上位に位置づけます。具体的な複数の位牌の正しい配置ルールは以下の通りです。
仏壇に向かって、ご本尊のすぐ右側(向かって右)に最も古い先祖代々の位牌や高祖父母の位牌を置きます。続いてご本尊のすぐ左側(向かって左)に次の世代の位牌を配し、その後は「右、左、右、左」と外側に向かって新しい仏様の位牌を順に並べていきます。段を分ける構造の仏壇であれば、上段の左右が上座、下段の左右が下座となるため、新しい位牌ほど下段の外側へと移行します。
1基の位牌に夫婦二人の戒名や法名を連名で彫り込む夫婦位牌の左右の決め方についても、この右上位が厳格に適用されます。位牌の表側に向かって「右側に夫、左側に妻」の戒名(法名)を配するのが標準的な彫り方です。裏面に俗名や没年月日を刻む際も、表側の位置関係と連動させて夫の情報を右、妻の情報を左に刻みます。地域や菩提寺の指導によっては、生前の立ち位置や家系図の慣例を重んじるケースもあるため、作成前に菩提寺へ確認を入れると後々の食い違いを防げます。
また、仏壇の中に札位牌(板位牌)が5基から10基と増え、物理的に並べきれなくなった際に活用されるのが繰出位牌の祀り方です。繰出位牌(回出位牌)は、屋根付きの台座の中に8枚から10枚前後の薄い木札を収納できる構造をしています。命日が近い先祖の札を一番前に出し、命日が過ぎたら次の札へと順繰りに回して供養します。一般的には、三十三回忌や五十回忌の年忌法要を終えて弔い上げとなった先祖の板位牌をお焚き上げし、繰出位牌や「〇〇家先祖代々之霊位」という先祖合祀の位牌にまとめるのが、仏壇の秩序を保つ賢明な手順です。