『傷だらけの悪魔』をさらに混沌とさせているのが、二人の周囲を取り巻くクラスメイトたちの歪んだ本性だ。舞に接近し、親友のように振る舞う藤塚優里亜。一見すると舞の唯一の味方のようにも思えるが、彼女もまた独自の損得勘定と劣等感を抱え、裏で複雑な糸を引いている。
さらに、一連の騒動を冷ややかに観察する男子生徒や、正義感に駆られて暴走する女子生徒など、登場人物の誰もが「純粋な善人」ではない。誰もが自分の保身と欲望のために他者を利用し、嘘を重ねていく。人間の醜い感情がドロドロと渦巻く教室環境は、まさに現代社会のミニチュアと言える。