エスカルゴ料理の発祥は極めて古く、古代ローマの貴族たちがワインやハーブを与えて肥育したカタツムリを宴席で振る舞った記録が残されています。中世ヨーロッパにおいては、キリスト教の四旬節(肉食が禁じられる期間)に「魚類と同じ扱い」として食べることが許可されたため、修道院を中心に養殖技術が発展しました。
現在知られる「エスカルゴ・ア・ラ・ブルギニョン(ブルゴーニュ風バター焼き)」が確立されたのは19世紀初頭です。フランスの高名な外交官タレーランが、ロシア皇帝アレクサンドル1世をもてなす晩餐会で提供したことがきっかけとなり、フランスを代表するガストロノミー(美食)の象徴へと登りつめました。
レストランで恥をかかない食べ方マナー
伝統的なレストランで殻付きのエスカルゴが供された場合、専用の器具を使ってスマートにいただくのが大人のマナーです。
- 専用トングで殻を固定する:左手(利き手と逆の手)でエスカルゴ専用のトングを持ち、殻のくびれ部分をしっかりと挟んで固定します。
- 専用フォークで身を取り出す:右手にエスカルゴ用の二股フォークを持ち、殻の開口部から身にフォークを刺し、殻の螺旋に沿って回すように優しく引き抜きます。
- 一口で頬張る:引き抜いた身はナイフで切らず、そのまま一口でいただきます。
- 残ったソースを楽しむ:殻の中に残った旨味たっぷりのガーリックバターは、パン(バゲット)に垂らして吸わせるか、殻から直接パンに注ぎ込んで食べるのが正式な作法です。お皿に残ったソースをちぎったパンですくって食べることも、フレンチの現場では料理人への賛辞として歓迎されます。
※なお、近年は殻を使わず、専用の窪みがある耐熱陶器(ココット)で提供されるスタイルも増えています。その場合は通常のフォークを使ってそのまま召し上がって問題ありません。