ポスタービジュアルにもなった「雨の日の赤い傘」。実はこのシーン、当初の絵コンテよりも格段にふたりの距離を詰める演出へと現場で変更されたものだった。肩が濡れるのを気遣いながら、傘をそっと傾けるソ・ジュニの仕草。作り込まれた芝居というより、チョン・ヘイン自身が無意識に見せたリアルな思いやりがそのまま採用された瞬間だった。
さらに視聴者の心を掴んで離さないのが、雪が舞う公園での無邪気なじゃれ合いから生まれたキスシーンだ。スタッフの証言によると、細かな動きの多くは役者ふたりのアドリブに委ねられていた。決まりきった動線にとらわれず、感情の波に従って動く。そんな現場の自由度が、今も語り継がれる奇跡のような名場面を次々と生み出していった。