イベリスを育て始めた愛好家が最も直面しやすいトラブルが、「花が終わった初夏以降の突然の枯死」です。春先には見事な花を咲かせていた株が、6月から8月にかけて急激に葉を茶色く変色させ、根元から腐ってしまう事例がSNSやQ&Aサイトでも毎年数多く報告されています。
イベリス枯れる原因を植物生理学と栽培環境の観点から掘り下げると、主に以下の3つの要因に集約されます。
第1の要因は、土壌の過湿による根腐れです。イベリスは地中海沿岸原産の植物であり、乾燥した痩せ地や岩場を好む性質を持っています。日本の梅雨時期のような多湿環境で連日水やりを行ったり、水はけの悪い粘土質の土壌に植え付けたりすると、根が呼吸困難に陥り一気に腐敗が進みます。
第2の要因は、株元の蒸れと風通し不良です。春に密生した茎葉をそのまま放置すると、梅雨の湿気と初夏の気温上昇が重なり、株内部の湿度が限界に達します。これにより灰色かび病などの病原菌が繁殖しやすくなり、内側から枯れ上がりが広がります。
第3の要因は、肥料の与えすぎによる肥料焼けです。良かれと思って開花中や初夏に高濃度の液体肥料や化成肥料を過剰に投入すると、デリケートな根が浸透圧で傷み、夏を前に株全体が衰弱してしまいます。