パソコンの心臓部である電源ユニットは、コンセントから流れてくるAC(交流)100Vを、内部パーツが使うDC(直流)12Vや5Vへと変換している。この変換プロセスでは、高周波のスイッチングノイズが大量に発生する。現代のエレクトロニクス産業が製造する高品質な電源には、ノイズを除去するためのEMIフィルターが組み込まれているが、このフィルター自体が不要な高周波成分をグラウンドへと逃がす構造になっている。
アースが接続されていない場合、この逃げ場を失ったノイズや僅かな漏れ電流は、PCの金属ケース全体へと広がっていく。これが、イヤホンから聞こえるホワイトノイズや、USBマイクが拾うハンチング音の正体だ。さらに恐ろしいのは、冬場の乾燥期に発生する強力な静電気である。逃げ道のない金属ケースに人間が触れた瞬間、数千ボルトの静電気が内部のグラウンドラインを逆流し、マザーボード上の精密チップを一瞬で破壊することすらある。