雨取千佳を語る上で外せない最大のファクターが、桁外れのトリオン保有量です。ボーダー隊員の平均トリオン値がおよそ「6〜7」前後、隊内トップクラスのアタッカーである迅悠一でさえ「7」、高トリオンを誇る二宮匡貴で「14」、ハイレイン等のアフトクラトル幹部級でようやく20台後半という数値基準のなかで、千佳の公式トリオン値は「38」という群を抜いた数値を叩き出しています。
この膨大なトリオン能力は、戦闘において既存の戦術セオリーを根本から覆す威力を発揮します。特に狙撃手用の重量級トリガー「アイビス」を用いた射撃は、通常の一撃必殺スナイプの範疇を遥かに超え、強固なコンクリート建造物や堤防を丸ごと吹き飛ばす「戦略大砲」と化します。B級ランク戦の現場実況や対戦相手からは畏怖を込めて「大砲」「怪獣」と称される事態となりました。
さらに千佳のトリオンは、追尾弾(ハウンド)やシールドにも桁違いのスケールを与えます。彼女が展開する通常シールドは他隊員の集中砲火をものともせず防ぎ切り、通常なら複数枚重ねて展開する防御壁を単騎で容易に成立させてしまいます。この驚異的なリソースこそが、玉狛第2の戦術構築における絶対的な切り札であり、同時に敵勢力から最も警戒・狙われる要因となっています。