自民党の派閥パーティー収入不記載事件を経て、二階派をはじめとする党内各派閥が解散・解体を余儀なくされたことは、鶴保庸介氏の政治環境にも大きな構造変化をもたらしました。
長年、二階俊博氏の「懐刀」として派閥運営を取り仕切り、参議院における二階派の勢力拡大を担ってきた鶴保氏ですが、派閥の看板を失った現在は、「政策グループ横断型のパイプ役」へと舵を切っています。特に麻生派や旧茂木派、旧岸田派の政策通議員らと勉強会を共催し、宇宙基本計画の次期改訂や量子技術・AIの安全保障利用に向けた議員連盟で主導権を握っています。
また、和歌山県内の政治地図におけるパワーバランスも注目点です。二階氏の引退と衆院選での世耕弘成氏の動きを受け、県内保守勢力の再結集が急務となる中、鶴保氏は「和歌山の保守本流をまとめる調整弁」としての役回りを期待されています。派閥政治の終焉は、鶴保氏にとって後ろ盾を失うリスクであると同時に、自らの政策構想力と参院重鎮としての発言力を前面に打ち出す好機にもなっています。