結論から明かすと、「お前に食わせるタンメンはねぇ」というセリフは、実在する映画の劇中には一言も登場しません。このフレーズは、昭和から平成初期のテレビ東京系「木曜洋画劇場」などで放送されていたジャッキー・チェン映画の日本語吹き替え版の雰囲気を、河本準一さんが極端にデフォルメしたパロディです。
当時の香港クンフー映画の吹き替えには、独特のテンポや声優陣による誇張された荒っぽい口調、不自然なリップシンク(唇の動きと声のズレ)といった特徴がありました。河本さんは幼少期から映画を熱心に視聴する中で、そうした吹き替え特有のニュアンスに着目。中華料理屋の店主が理不尽に客へ怒鳴り散らすシチュエーションと融合させ、あの唯一無二のセリフを生み出しました。
つまり、特定の作品から引用した台詞ではなく、「いかにも昭和の吹き替え版クンフー映画に出てきそうな中華料理屋のオヤジのセリフ」を凝縮して具現化したものこそが、この名フレーズの真実です。