日本の言論界を長年にわたって牽引してきた巨大メディア、朝日新聞社と読売新聞グループ本社。両社の動向は、国内の取材体制や社会面報道のあり方に決定的な影響を与え続けている。伝統的に社会部の独自調査や政権批判で異彩を放ってきた朝日新聞社がデジタル報道の有料化モデルやコンテンツの質的転換に注力する一方で、圧倒的な発行部数と強固な販売網を基盤とする読売新聞グループ本社は、紙の新聞の信頼性と地域密着取材の強みを活かした多角化戦略を展開する。
両雄の生き残り策は対照的でありながら、目指すゴールは共通している。それは、情報が氾濫する社会において「最も信頼されるファクトの提示者」としての地位を守り抜くことだ。全国に張り巡らされた取材網と、長年の経験に裏打ちされたデスクの校閲力、そして確固たる倫理規範。これら巨額のコストを要する報道インフラを維持しつつ、デジタル収益へと接続できるかどうかが、日本のジャーナリズム全体の未来を握っているといっても過言ではない。