なぜ相手は番号を隠して電話をかけてくるのか。主な理由は3つに大別される。1つ目は、自動ダイヤラー(オートコールシステム)を用いた「有効回線チェック」だ。ランダムに生成した電話番号へ一斉発信し、応答の有無や留守電の切り替わりを確認することで、その番号が使われているか否かをデータ化している。受話器を取るだけで「生きている番号」として記録され、闇リストへ登録される危険性がある。
2つ目は、セールスや世論調査、あるいは悪質な取り立てなどの身元隠蔽だ。そして最も深刻な3つ目が、犯罪グループによる事前調査(下見電話)である。在宅時間帯や居住者の年齢、声のトーンから世帯構成を割り出す狙いがある。
「非通知の相手を特定できるか」という疑問に対し、警察庁の関係者は慎重な見解を示す。事件性が立証され、裁判所の令状が出ない限り、通信事業者が個人の通信履歴を任意開示することはない。つまり、単に着信があった段階で一般人が発信者を突き止めるのは極めて困難だ。被害が出る前の予防線こそが、唯一にして最大の防御策となる。