地球史上最大の巨塔プロトタキシーテス!巨大キノコの正体と絶滅理由

地球史上最大の巨塔プロトタキシーテス!巨大キノコの正体と絶滅理由

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プロトタキシーテスの化石が初めて科学の舞台に登場したのは1859年のことです。カナダの著名な地質学者ジョン・ウィリアム・ドーソン(John William Dawson)がケベック州ガスペ半島のデボン紀地層から巨大な丸太状の化石を発見したことがすべての始まりでした。断面に同心円状の年輪のような構造が見られたことから、ドーソンはこれを「初期のイチイ(Taxus)に似た原始的な針葉樹」と推測し、ギリシャ語で「最初のイチイ」を意味する「プロトタキシーテス(Prototaxites)」と命名しました。

しかし、この化石が発見された時代背景を考慮すると、極めて不自然な矛盾が生じます。プロトタキシーテスが生息していた古生代シルル紀後期からデボン紀後期(約4億3000万年〜3億6000万年前)の陸上は、クックソニアやリニアといった初期の維管束植物が湿地帯に細々と生え始めたばかりの原始的な環境でした。当時の植物の大半は背丈がわずか数センチから高くても数十センチ程度に過ぎず、葉も発達していませんでした。

その中にあって、プロトタキシーテスの大きさは高さ最大8.8メートル、幹の直径は1メートル以上にも達していました。周囲に広がる低背な植物群落を見下ろすように、荒涼とした大地に巨大な電柱のような円柱状の塔が林立していたのです。当時、陸上でこれほどの巨大構造を誇った生物は他に一切存在せず、まさに地球の陸上生態系における「最初の巨人」でした。

田中 結衣
著者

田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。