結婚から数年間、綾菜が直面したバッシングは常軌を逸したレベルに達していた。ブログのコメント欄は数万件の罵詈雑言で埋まり、自宅ポストにはカミソリ入りの手紙が投函された。さらには、大切にしていた自転車を自宅前の木に吊るされるという陰湿な器物損壊被害にまで遭った。
精神的に追い詰められ、外出時にパニック発作を起こすこともあった綾菜だったが、加藤茶は「ネットの画面の向こうにいる人間ではなく、目の前にいる俺を信じてくれ」と彼女を抱きしめ、守り続けた。外部からの攻撃が強まれば強まるほど、二人の絆は強固なものになっていった。
最大の危機が訪れたのは2014年のことである。加藤茶がパーキンソン症候群を発症し、急激に体力を低下させた。手足が震え、歩行もままならず、言葉の呂律が回らなくなる重篤な状態に陥った。寝たきり寸前となった夫の姿を前に、綾菜は「私が泣いている場合ではない。知識を身につけ、命懸けでこの人を守る」と固く決意した。