かつてはおしどり夫婦とも称された2人の間に決定的な亀裂が入ったのは、真平氏が関西テレビを完全に退職し、家庭内で過ごす時間が増加した2010年代以降のことでした。昭和の典型的なエリート男性であった真平氏は、家庭内において一切の家事をせず、恵美子さんに対して絶対的な主導権を握り続けるスタイルを崩しませんでした。
芸能界のトップとして多忙を極めながら、家庭では完璧な主婦であることを求められた恵美子さんは、長年の過度な精神的ストレスから自律神経のバランスを崩し、めまいや吐き気、食欲不振などに悩まされるようになります。医師から告げられた病名は、夫の存在そのものが強いストレス源となる「夫源病(ふげんびょう)」でした。
当時のインタビューや自著において、恵美子さんは次のように当時の切迫した心境を吐露しています。
「夫がリビングに入ってくる足音が聞こえるだけで、動悸が止まらなくなった」
一時は真剣に離婚届の提出を検討したものの、長年築き上げた家族の歴史や世間体、互いの親族への配慮から法的な離婚は踏みとどまりました。その代わりとして選ばれたのが、物理的に生活圏を切り離す「別宅の購入」と「別居生活」でした。この決断が、結果として夫婦関係の破滅を食い止める防波堤となったのです。