酸素欠乏危険作業主任者を目指す際、最も混乱を招きやすいのが「第1種」と「第2種」の区分です。正式名称としては、第1種が「酸素欠乏危険作業主任者」、第2種が「酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者」と表記されます。この区分は酸素欠乏症等防止規則(安衛則)において明確に規定されています。
第1種は「空気中の酸素濃度が18%未満になるおそれのある場所」のみに対応し、井戸、暗渠、ドライアイスを使用する冷蔵倉庫、鋼製タンク内などが主な対象となります。一方の第2種は、酸素欠乏に加えて「硫化水素濃度が10ppm(100万分の10)を超えるおそれのある場所」での作業指揮が可能となります。具体的には、汚水やヘドロが堆積する下水道、し尿処理施設、配管ピット、パルプ製造施設などがこれに該当します。
現場における実用性を考慮すると、大は小を兼ねるため第2種の取得が圧倒的に推奨されます。第1種を取得した後に硫化水素の発生が懸念される現場へ入場する場合、後から改めて講習を受け直さなければなりません。実務で建設業、水道施設管理、清掃業などに携わるのであれば、最初から第2種を選択するのが業界のスタンダードです。
また、現場の一般作業員が受講する「酸素欠乏等危険作業特別教育」と作業主任者の違いも把握しておく必要があります。特別教育は危険場所で作業を行う労働者全員に義務付けられた入門講習(半日〜1日程度)であり、作業の直接指揮や酸素・硫化水素濃度の測定、退避指示といった法的権限は一切持てません。一方、作業主任者は事業者から法的に選任され、作業計画の策定から保護具の点検、安全確認まで現場の生死を司る重責を担います。