「医療脱毛を5回受ければツルツルになる」という言説は、結論から言えば医療現場の現実とは乖離したマーケティング主導の幻想に過ぎません。日本美容皮膚科学会などの知見や大手美容クリニックが公開する臨床データを総合すると、5回照射完了時点での平均減毛率は約60〜80%にとどまります。
部位ごとに見た場合、効果の現れ方には大きな落差が存在します。メラニン色素が濃く太い毛が密集しているワキやスネ(下腿)は、レーザーの熱エネルギーが毛根に届きやすいため、5回でも「ほぼ目立たない」「数週間に1回撫でる程度」まで減毛が進みます。一方で、皮脂腺が多く毛根が深い位置にあるVIO(デリケートゾーン)や、色素が薄く細い背中・顔の産毛は、5回の照射を経ても十分な熱破壊が起きにくく、明らかな毛残りを実感するケースが大半です。
ぶっちゃけ5回の照射で到達する現実的な仕上がりは、「毎日のカミソリ処理から解放され、旅行前や露出の多い服を着る前に少し整えるだけで済む」というレベルです。手の甲や指先で触れた際に一切の毛気を感じない「完全無毛のツルツル状態」をゴールに設定している場合、5回完了時点で「期待を裏切られた」と後悔するリスクが極めて高くなります。