鷹野三四を語る上で避けて通れないのが、野鳥撮影のフリーカメラマンを装って雛見沢に派遣されていた監査員・富竹ジロウとの関係性です。
表向きは、趣味を共有し親密に語り合う大人の恋人同士のように見えた二人。しかし、その内情は極めて歪んだものでした。富竹は「東京」から派遣された監視役であり、鷹野の研究が軍事予算獲得のための暴走に陥っていないかを精査する立場にありました。
鷹野にとって富竹は、計画の機密保持と「終末作戦」を発動させるトリガーとして、綿流しの夜に必ず薬物(H173)で喉を掻き毟らせて殺害しなければならない対象でした。しかし同時に、自らの孤独や研究の苦悩を唯一理解してくれる存在としても富竹に依存していたのです。この「愛着を持ちながらも、己の悲願(神になること)のために冷酷に排除する」という矛盾した心理が、鷹野の狂気をより生々しいものにしていました。
また、彼女が村人や前原圭一らに見せていた「スクラップ帳」も、緻密に計算された情報戦の武器でした。村の過去の怪死事件やオヤシロさまの祟りをまとめたこのノートは、単なる民俗学の趣味ではなく、「外部の人間や村人に疑心暗鬼を植え付け、雛見沢症候群の発症(L5到達)を誘発させるための心理的起爆装置」でした。彼女の知略の高さと、目的のためなら手段を選ばない冷徹さがここに凝縮されています。