にんにくを料理に使う最大の醍醐味は、あの強烈なパンチのある香りと元気が出るような旨味だろう。その源泉となっているのが、強い抗酸化作用や抗菌作用を持つアリシン(有機硫黄化合物)という成分だ。
アリシン(有機硫黄化合物)は、にんにくに含まれるアリインという無臭の成分が、細胞が壊れる際に酵素と反応して生成される。しかし、保存状態が悪くて発芽が進んだり、身が痩せてカビが生えたりすると、本来蓄えられていた栄養分が芽の成長のために消費され、風味も著しく損なわれてしまう。
正しく常温保存されたにんにくは、細胞の水分バランスと栄養状態が良好に保たれるため、包丁を入れた瞬間に鮮烈な香りを放つ。科学的見地からも、カビや芽を防ぐ適切な環境づくりは、単に長持ちさせるだけでなく、食材としての価値を極限まで高める行為である。