本作の物語構造を深く理解する上で欠かせないのが、天野家を中心とする緻密な人間関係です。あまちゃん あらすじ ネタバレを含め、その骨格を紐解きます。
物語は、高校2年生の天野アキ(あまちゃん 能年玲奈 役名)が、母・春子(小泉今日子)に連れられて母の故郷である北三陸の袖が浜を訪れるところから幕を開けます。祖母である海女頭・天野夏(宮本信子)の生き様に魅せられたアキは、海女になることを決意。親友となる足立ユイ(あまちゃん 橋本愛 足立ユイ)と出会い、ローカルアイドルユニット「潮騒のメモリーズ」を結成して一躍人気者となります。
物語の中盤では、アキがアイドルを目指して上京し、荒巻太一(古田新太)が率いる「アメ横女学園芸能コース(アメ女)」の研究生「GMT47」の一員として奮闘します。ここで物語の核となるのが、伝説の劇中歌「潮騒のメモリー」です。かつて春子が若き日に吹き込んだ「影武者歌唱」の真実と、大女優・鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)との因縁が明かされ、アキはその因果を乗り越えて自らの歌声を響かせます。
天野家3代(祖母・夏、母・春子、娘・アキ)の登場人物相関図は、単なる血縁関係にとどまりません。「田舎に縛られたくなくて飛び出した母」と「田舎で居場所を見つけた娘」、そして「海を守り続けてきた祖母」という世代ごとの価値観の衝突と和解が、物語全編を通じて情感豊かに描かれています。