チルド室で極限まで糖度を高めた栗は、最後の加熱工程でその真価を解き放ちます。ここでもガッテン流のロジックが冴え渡ります。栗を茹でる際、グラグラと沸き立つ熱湯にいきなり投入するのは絶対に避けてください。
デンプンをショ糖へと変える酵素(アミラーゼ)が最も活発に働く温度帯は「50℃〜60℃」です。この温度帯をいかにゆっくりと時間をかけて通過させるかが、茹で栗の仕上がりを左右します。具体的な手順は以下の通りです。
ためしてガッテン流・至極の茹で栗手順:
- 塩水を用意する:水1リットルに対して塩大さじ1(約15〜20g、塩分濃度1.5〜2%)を溶かします。塩を入れることで栗本来の甘みが引き立ち、身が引き締まります。
- 水からじっくり弱火加熱:鍋に水と洗った栗を入れ、点火します。沸騰するまでに10分〜15分ほどかかる極弱火に設定し、糖化温度帯をじっくりと通過させます。
- 微沸騰を維持して50分:湯面がわずかにフツフツと波打つ程度の火加減をキープしながら、約50分間じっくりと茹で上げます。
- 鍋に入れたまま自然冷却:茹で上がった直後にザルへ上げてはいけません。急激な温度変化は水分の蒸発を招き、実がパサつく主因となります。鍋のお湯が完全に冷めるまで半日ほど放置することで、水分と適度な塩気が実の芯まで均一に行き渡り、驚くほどしっとりとした質感に仕上がります。