谷垣の代名詞といえば、自転車と自筆の手紙だ。総裁時代、彼は自転車に乗り、全国各地の商店街や農村を巡った。国民の生の声に耳を傾ける姿は、永田町の密室政治に嫌気がさしていた世論に新鮮な驚きを与えた。
また、支援者や議員仲間へのこまやかな手紙のやり取りも知られている。相手の状況を思いやり、短くも心のこもった文面を添える。政治とは理念のぶつかり合いであると同時に、人と人との血の通った信頼関係の上に成り立つものだという確信が、彼の行動を支えていた。こうした「泥臭い現場主義」こそが、当時の自民党に足りなかったものであり、国民との距離を再び縮める原動力となった。