三つ編みが時間の経過とともに崩れてしまう現象は、偶然ではなく明確な物理的・構造的要因によって引き起こされます。美容現場でのカウンセリングデータや毛髪診断の現場検証から導き出された、主な3つの原因を紐解きます。
第一の要因は、髪の下準備を行わない「すっぴん髪」の状態で編み始めてしまう点です。乾いた素髪はキューティクル同士の摩擦が少なく、毛束が滑りやすいため、結び目のテンションが均一に保たれません。また、乾燥した毛髪は空気中の湿気を吸放湿しやすく、時間の経過とともに内部の水素結合が揺らぎ、うねりや広がりを誘発します。
第二の要因として挙げられるのが、レイヤーカットによる段差の影響です。近年のトレンドであるウルフレイヤーやフェイスレイヤーを取り入れている場合、毛束の中に長さの異なる毛が混在します。この短い毛が三つ編みのカーブに沿いきれず、編み目から横にツンツンと飛び出る現象(スピッツ現象)が発生し、全体が毛羽立った印象を与えてしまいます。
第三の要因は、編み込む際のテンション(引っ張る力)のムラとゴム留めの甘さです。根本から毛先まで均等な力加減で編まれていない場合、頭の動きや風の刺激を受けた際に、最も緩い部分から一気に全体の結束が解けてしまいます。