恵方巻きを食べる際に最も重要とされる「恵方」とは、その年の福徳を司る神である歳徳神(としとくじん・別名:正月さま、年徳神)が鎮座する方角を指します。陰陽道において、歳徳神がいる方位は何事を行うにも大吉とされ、古くからその年の干支に基づいて決定されてきました。
恵方の方角は無数にあるわけではなく、十干(甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸)に応じて以下の4つの方位(東北東、西南西、南南東、北北西)を周期的に巡ります。
- 甲(きのえ)・己(つちのと):東北東微東(75度)
- 乙(きのと)・庚(かのえ):西南西微西(255度)
- 丙(ひのえ)・辛(かのと)・戊(つちのえ)・癸(みずのと):南南東微南(165度)
- 丁(ひのと)・壬(みずのえ):北北西微北(345度)
2026年は十干が「乙(きのと)」にあたる年(乙巳=きのとみ)であったため、恵方は西南西微西(西から南へ約15度寄った255度)となりました。単なる「西南西」という大まかな方角だけでなく、二十四方位における「庚(かのえ)」の方向を正確に向くことが、伝統的な願掛けにおける正式な手順とされています。