ステージ上で放つ異次元のオーラから「本名なのか」「ハーフなのではないか」といった声も聞かれますが、本名はそのまま勢喜 遊(せき ゆう)です。「勢喜」という苗字は全国的にも珍しく、ルーツである四国・徳島県に多く見られる姓です。
1992年9月2日生まれ、徳島県阿南市出身の彼は、まさにサラブレッドと呼ぶにふさわしい音楽一家の環境で育ちました。父親はプロのドラマー、母親はプロのシンガーという家庭環境のもと、物心ついた頃には自宅のリビングにドラムセットが鎮座していたといいます。音楽専門誌の過去インタビューでも「幼少期から親の演奏を間近で見ており、音を鳴らすことが息をするのと同じくらい自然だった」と当時を回想しています。
特筆すべきは、ドラムスティックを握る以前に小学生時代からストリートダンスに熱中していたという点です。ファンク、ヒップホップ、オールドスクールのダンスカルチャーに深く没入し、身体全体でリズムを受け止める感覚を徹底的に養いました。この「ダンサーとしての身体感覚」こそが、現在の勢喜遊が繰り出す、機械的なクリックを超越した粘り気のあるグルーヴの揺るぎない土台となっています。