半世紀にわたるファンの言説の中には、一部で事実とは異なる解釈や誤解が定着してしまっているケースも見受けられます。客観的な記録をもとに、主要な3つの誤解を正します。
誤解①:「タックルは弱すぎて役に立たなかった」という風評
ネット掲示板などで「戦闘員専門で怪人には勝てなかった」と揶揄されることがありますが、これは明確な誤りです。確かに物語後半のデルザー魔人相手には苦戦を強いられましたが、前半のブラックサタンの奇械人(きかいじん)に対しては、電波投げを用いてストロンガーを何度も窮地から救い出しています。そもそもタックルは「未完成の戦士」という設定であり、そのスペック差を気迫と技術で埋めていた描写こそが評価されるべきポイントです。
誤解②:「城茂が見殺しにした」という言説
茂がドクターケイトの毒に気づかなかったことを責める声が散見されますが、これはユリ子自身が「茂に余計な動揺を与えてはデルザー軍団に勝てない」と判断し、喀血や激痛を必死に隠し通していたためです。茂が真実を知ったのは、ユリ子がウルトラサイクロンを放った直後でした。茂の鈍感さではなく、ユリ子の凄絶な覚悟が招いた悲劇でした。
誤解③:「制作陣が岡田京子さんを降板させるために殺した」という噂
女優のスケジュールの都合や降板トラブルで死亡退場させられたという都市伝説がありますが、当時の東映プロデューサー陣の公式インタビューにおいてこれは明確に否定されています。当初から物語のクライマックスに向けた劇的な転換点として企画されており、岡田さん自身も事前に説明を受け、納得の上で渾身の演技を披露していました。