現在の出版業界において、ヒットの牽引役として圧倒的な存在感を放っているのが実用書・ライフスタイル部門だ。なかでもレシピ本のジャンルは、不況と言われる出版市場のなかで異例の好調を維持している。
このムーブメントの背景には、ヒット作を連発する大手出版社による緻密なプロデュースがある。たとえばKADOKAWAは、SNS発の料理研究家たちの個性を最大限に引き出したスピード感のある企画開発で若年層の心を掴んだ。一方で宝島社は、徹底した読者目線によるビジュアル表現と実用性の高さを武器に、幅広い年齢層へアプローチを成功させている。両社の切磋琢磨が、市場全体の熱量を引き上げているのは疑いようもない。