長野市茶臼山動物園がこれほどまでに多くの来園者を惹きつける最大の要因は、「森の中の動物園」という地形を最大限に活かした没入型の展示設計にあります。従来の檻や柵越しに眺めるスタイルから脱却し、動物たちの生き生きとした生体行動を間近で体感できる工夫が随所に凝らされています。
園内を代表する看板エリアが「レッサーパンダの森」です。長野市茶臼山動物園はシセンレッサーパンダの飼育・繁殖実績において日本トップクラスを誇り、ファンの間では「聖地」として知られています。頭上を行き交う専用の吊り橋や、屋外放飼場を自由自在に駆け回る姿、愛らしい食事シーンを遮るもののない至近距離で観察できる環境は、国内随一のクオリティを誇ります。
さらに近年大きな注目を集めているのが、ダイナミックな生体展示を実現した「ライオンの丘」です。広大な傾斜地に造られたこの施設では、岩山の上から下界を見下ろす百獣の王の凛々しい姿や、ガラス越しに目と鼻の先まで迫る迫力満点の姿を体感できます。観察用トンネルや見張り台など多角的な視点からアプローチできる立体構造となっており、子どもから大人まで時間を忘れて見入ってしまう仕掛けが満載です。
このほかにも、国内でも飼育数が極めて少ない貴重なウォンバットや、愛嬌たっぷりのアジアゾウ、木登りを得意とするオランウータンなど、約70種以上もの個性豊かな動物たちが暮らしています。どの展示場も動物福祉(アニマルウェルフェア)に配慮した豊かな植生が整えられており、自然本来の美しさと躍動感を同時に味わえる点が決定的な差別化要因となっています。