文部科学省の学習指導要領に準拠した高校生物基礎や大学入学共通テストにおいて、原生生物界の生物は頻出テーマです。特に個別の生理機能や運動器官の違いは頻繁に問われるため、主要な生物の特徴を詳細に把握しておく必要があります。
代表的な原生生物の生態とテスト頻出ポイントは次の通りです。
- ゾウリムシ(繊毛虫類): 淡水に生息する体長約0.2ミリメートルの代表的な単細胞生物です。体表全体を覆う無数の「繊毛」を波打たせて素早く泳ぎ回ります。細胞口から細菌などを取り込み、食胞で消化する完全な従属栄養生物です。細胞内の浸透圧を調整する「収縮胞」を前後2箇所に持ち、大核(栄養核)と小核(生殖核)という2種類の核を持つ点も頻出のチェック事項です。
- アメーバ(肉質虫類): 定まった形を持たず、細胞質を流動させて「仮足(偽足)」を伸ばして移動(アメーバ運動)します。餌となる微生物を仮足で包み込んで細胞内に取り込む「食作用(貪食作用)」を行い、食胞を形成して消化します。ゾウリムシと同様に従属栄養であり、原生動物の代表格として扱われます。
- ミドリムシ(ユーグレナ類): 植物と動物の両方の性質を併せ持つ非常に特異な原生生物です。体内に葉緑体を持ち、光がある環境では光合成を行って糖を作ります(独立栄養)。一方で、暗黒条件下では鞭毛を使って泳ぎ、外部の有機物を吸収して生活することも可能です(従属栄養)。光の方向を感知する「眼点」と、前方から伸びる1〜2本の「鞭毛」を巧みに使って光の射す方向へ移動します。
- ケイソウ(珪藻類): ガラス質の二酸化ケイ素(シリカ)でできた頑丈な殻を持つ単細胞の藻類です。海洋や河川の植物プランクトンとして膨大な数が存在し、地球上の酸素供給および一次生産者として極めて重要な役割を果たしています。死骸が堆積すると「珪藻土」となり、建材や吸水バスマットなどに活用されています。
- 変形菌(粘菌類): アメーバのように動き回って細菌を捕食する多核の大型細胞(変形体)の時期と、キノコのように胞子を飛ばして繁殖する子実体の時期を持つユニークな生物です。南方熊楠が生涯を捧げて研究した対象としても知られています。